ロシアダルネゴルスク産ヘデンベルグ輝石(灰鉄輝石)

ロシア極東のダルネゴルスク産ヘデンベルグ輝石原石です。
ロシアダルネゴルスクは知る人ぞ知る産地で、異型な水晶やカラーレスのフローライト、他ではあまり見られない鉱物類が産出する特異な鉱床の産地です。
ここの水晶は特に変わっていて、激しく成長干渉されたポイントや、特異な形状のグリーンクォーツ等か産出し、水晶マニアから絶大な人気があります。
グリーンクォーツはヘデンベルグ輝石がインクルージョンする事により色付いており、一時期産出した内モンゴル自治区産の水晶に類似しています。
このヘデンベルグ輝石は、輝石グループの一員で、鉱物学的に輝石の分類と命名が整理され、21種が輝石の独立種とされ、そのうち13種が固溶体の端成分として用いられています。
固溶体とは、2種類以上の元素が比率が変化しながら混じり合う物で、端成分とは、固定された元素成分と理解すると良いかと思います。
輝石の基本的な化学組成は XY(Si,Al)2O6 で、
X はCa、Na、Fe2+、Zn、Mn、Mg、Li、
Y はCr、Al、Fe3+、Mg、Mn、Sc、Ti、V、Fe2+
で表されます。このXYの組み合わせにより、輝石の分類がなされます。
鉱物として有名な輝石には、
○透輝石(Diopside)(Di) : CaMgSi2O6
○エジリン輝石(Aegirine、エジリン、錐輝石)(Ae) : NaFe3+Si2O6
○ひすい輝石(Jadeite、ジェイダイト)(Jd) : NaAlSi2O6
○リシア輝石(Spodumene、スポジュメン)(Sp) : LiAlSi2O6
等か有ります。
ヘデンベルグ輝石は、
○灰鉄輝石(Hedenbergite、ヘデンバージャイト)(Hd) : CaFe2+Si2O6
カルシウムと鉄の組み合わせになっています。
ヘデンベルグ輝石は通常先端の平たい柱状の塊状集合体や、刃状、塊状、葉片状でも産出します。
これが水晶にインクルージョンすると、独特の緑色の水晶になります。
このダルネゴルスクのヘデンベルグ輝石は、単体として非常に立派な結晶で、鑑賞価値も高い標本と思います。

50.3×37.0×25.0mm 68.68g

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